ever since...

＊

目の前にハリケーンが立ち塞がり、
予約していた飛行機の一部区間が前日にキャンセルとなり、
一度は日程を遅らせようとも考えたものの後日の航空券が軒並み売り切れを見て、
帰ることすら諦めてしまい掛けていた。

でも、
多少遠回りしてでも予定通りに帰る方法を見つけては、
閉鎖された空港の再開情報が遅れないコトをただ信じて、
遅延なく2度の乗継がうまくいくコトを信じて…

街がまだ静まり返っている朝4時に宿を出て、
飛行機へと飛び乗っては24時間以上のときを経て、
無事成田空港へと辿り着いた。

空の上で伝える言葉を文字に落とそうとも思ったけれど、
苦悩の一ヶ月と旅を始める前に決めたコトと旅が終わった後に伝えようとしていた言葉を
自分らしくただシンプルに伝えればいい…

其れが答えだった。

＊

ひとつ帰る場所を失って、
もうひとつだけある帰る場所を失うことなど脳裏になかった。

後悔したくないと
このラストチャンスのタイミングで戻ってきたことは、
きっと正しかったに違いない。

でも、
その可能性がたった0.01%でもあることに気付いたときに、
突如として不安に苛まれ始めている。

ボールを投げた以上、
もう待つ以外の選択肢はないのだけれど…

根拠のない自信が脆くも崩れ去ったとき、
真っ白な場所を求めて誰も知らない場所へ飛んでゆくのだろう。

そうやっていままでも生きてきたし、
其れを変えることなどいまさら出来ないよ。

だって、
不器用だから…

＊



あの日 君が言っていた「永遠」という言葉
落としたのは僕のせいだと分かっている
ねえ 僕の左側で 歩いた君の眩しい笑顔が頭から離れない
ねえ 今更なんだけれども失いたくないよ