タダ、其ノ季節ガ来タ…
心の侭に歩くということ、
昔はずっとそうしてきたんだ。
ひとつの光を目掛けて歩いていたら、
其の道の途中で出逢ってしまった。
*
最初は可愛かったあの子が、
スクスクと育っていく過程がただ嬉しかったのに、
いつしか憎まれ口を叩くようになっていた。
それでも、
ひとつの通過点にたどり着くまでは、
守っていかなきゃならないと思って、
思考を止めていた。
考えてしまったらきっと、
其れは手放すことだから。
子育て日記を一冊にまとめられる権利を
放棄することだから…
*
でもね、
そうでないと気付いてしまった。
もう十分。
もう十分過ぎる…
道の途中で気付かされていたのに、
見て見ぬ振りしてただここに佇んでいただけだと、
一歩を踏み出せずにいただけなのだと、
そう気づいてしまったんだ。
この縛られている状況が
足枷になってしまっているという事実から目を背けていた。
そう、
薄々は気付いていたコト。
輪が大きくなれば、
なった分だけ間接的な繋がりは当然ながら増え、
誰かに迷惑をかけてしまうかもしれない…
その「かもしれない」との葛藤が、
たぶんもう抱えきれなくなっている。
親離れもだけど、
子離れをしなければいけない季節がやってきた。
きっと、
ただそれだけの事象…
*
衰えゆく船の上に居ることより、
大空までただ羽ばたきたい。
飛ぶのならきっと、
いまがラストチャンスだから…
本当の意味でチャレンジできる人間って、
総合的な事情を考慮するとほんの一握り。
何も捨てるものがないか、
たとえ失敗してもどうにかなるだけのなにかがあるか…
大抵は何かに縛られて、
気付いてみたら動けなくなる。
その波にいい意味でも悪い意味でも、
一度乗り遅れたからいまがある。
でも、
もう次は待ってはくれない。
もう待たせられないから…
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